中独は3月に、フランクフルトに人民元決済メカニズムを構築するための覚書に調印した。ドイツは人民元決済センターの設立を重視しており、これを中国の発展の勢いを借りる重要なチャンスと判断している。メルケル首相は中国の指導者と会談した際に、ドイツ側の希望を伝えた。フランクフルトは後発者でありながら、ユーロ圏内で初の人民元決済センターになった。中国銀行は今年5月、ユーロ圏内で初の人民元決済事業を行える銀行を目標に、フランクフルト支店への10億元(約164億円)の出資を決定した。中国銀行フランクフルト支店長は、「中国の銀行にとって、人民元のグローバル化は巨大なチャンスだ。米国金融業の成功は、米ドルの世界における支配的な地位に負うところがある」と指摘した。
同じ欧州に位置するルクセンブルクも、全力で人民元オフショアセンターの地位を争奪しようとしている。ルクセンブルクには538億元(約8790億円)の預金、640億元(約1兆円)の貸付金、2560億元(約4兆1800億円)の投資資産がある。中国とルクセンブルクは昨年、双方の基金による投資を許可する覚書に調印した。ルクセンブルクの財相はこのほど、「ルクセンブルクは中国・欧州・アメリカ大陸の架け橋になれる」と発言した。中国とルクセンブルクが昨年共同設立した両国の商工会議所は改選を行い、人民元事業の推進に消極的な役員が職を解かれた。新しい代表者は、「詳細な日程表をすでに作成しており、人民元決済センターに向かいラストスパートをかける」と表明した。