12年末現在、中国地方政府に償還責任がある債務の残高の同年のGDPに対する割合は36.74%だ。政府に担保責任がある債務、一定の救済責任がある債務を、07年以降の各年度に財政予算によって実際に償還した際の最高比率の19.13%と14.64%で計算すると、12年の地方政府の総負債率は39.43%となり、警戒ラインの60%を下回る。
第二に、中国政府には「蓄え」がある。目下、経済成長ペースは鈍化しているが、世界的にみれば、第1四半期(1-3月)の成長率7.4%は速いペースで、安定しつつ急速な経済成長は債務償還を根本から保障するものとなる。
このほか、一部の国では政府債務が主に消費支出に充てられ、自己精算性に乏しいという特徴をもつのとは異なり、中国の地方政府の債務は主に社会経済の発展と国民の生活条件の改善に関わるプロジェクトの建設に充てられ、交通輸送、市政の整備といったインフラ建設が多く、キャッシュフローを生み出す巨額の優良資産を形成することが可能で、債務償還をある程度保障するものといえる。