競争力が低下した一連の外資系企業は、かつて「超国民待遇」で厚遇されていたころの輝きに比べれば、現在では中国での経営があまり好調とはいえない。報道によると、米国紙「ワシントン・ポスト」のサイトがこのほど、「在中国の米国企業に寒風。多くの企業はまだ黒字だが」という論説を発表した。この報道によれば、これまで非常に急速だった中国の経済成長が徐々に鈍化していること、中国企業との競争がますます激しくなっていること、中国の労働力コストが上昇していることなどが合わさって、在中国米国企業の利益に深刻な影響を与えている。一方、経済発展にともない、中国は外資導入で単なる数や量の追求をやめ、質をより重視するようになった。長期的にみれば、外資系企業の中国における「黄金期」はまだまだ終わらないと専門家は指摘する。「人民日報」海外版が伝えた。
▽外資系企業、中国で引き続き成長
商務部(商務省)がまとめた最新のデータによると、今年5月の実行ベース外資導入額は前年同月を下回ったが、1-5月の外資系企業による投資は引き続き増加した。統計によれば、今年1-5月に新たに設立された外資系企業は8744社で、前年同期比1.6%増加した。実行ベース外資導入額は3010億9千万元(約489億1千万ドル。1元は約16円、1ドルは約102円)で同2.8%増加した。これには銀行、証券、保険などの金融分野のデータは含まれていない。
中国経済の発展、モデル転換、バージョンアップ、および土地コスト、資源コスト、労働力コストの上昇にともない、外資系企業の目に世界で最も安価な加工工場と映ってきた中国は、今ではコストが日に日に増大している。そこで外資系企業は加工貿易や製造業への投資を、中国よりもコストが低い東南アジアなどの国により多く移すようになった。統計によると、今年1-5月の中国製造業の実行ベース外資導入額は174億ドルで同16.5%減少し、全体に占める割合は35.6%だった。
だが中国の産業構造の調整で強化する必要のあるサービス業が、海外からの投資をより多く引き寄せている。統計によると、今年1-5月のサービス業の実行ベース外資導入額は275億ドルで同19.5%増加し、全体に占める割合は56.2%に達した。
このほか、米国や欧州の先進国で製造業が回帰したことなどにより、こうした国々の企業の対中投資が減少した。とはいえ、すべての国が対中投資を減少させたわけではなく、韓国は同87.9%、英国は同62.2%、それぞれ増加した。