米財務省の高官が12日の記者会見で、日本とユーロ圏の経済への懸念を示し、G20財務大臣・中央銀行総裁会議の参加国に「経済の活力の向上と需要の拡大という政策レベルで協力する必要がある」と呼びかけた。2008年から始まった各種の危機が世界に様々な問題をもたらし、不安に駆られた人々は「経済衰退」という言葉に敏感になっている。人民日報海外版が伝えた。
▽次々と訪れる懸念材料
欧州中央銀行のドラギ総裁は9日のミランの演講で、欧州の投資レベルが低く、ユーロ圏の経済が楽観できない状況にあるとの見方を示した。
中国社会科学院金融研究所の尹中立研究員はこれについて、「2009年から実施が始まった経済政策はすでに効果を失っており、欧州経済は全体としてゼロ成長の状態にあり、衰退期に入っているとさえ言える」と指摘する。
日本経済の不調はこれに輪をかけて明らかだ。日本内閣が8日に公表したGDPデータは悪化を強めており、第2四半期の実質GDP修正値は前期比年率換算7.1%のマイナス成長となり、GDPの縮小幅は5年ぶり最大となった。
米国の状況はそれほど悪くはない。最近はドルも高くなり始め、米国経済の成長率はほかの先進国の経済成長水準を大きく上回っている。だが庶民の給与収入は経済回復や失業率低下で上がっているとは言えない。ウォール・ストリート・ジャーナルとNBCの調査によると、米国の庶民は経済動向に対する悲観的な見方を強めている。
新興経済体の動向も楽観的ではない。BBCウェブサイトの10日の報道によると、IMFの朱民・副専務理事は、新興経済体はすでに発展周期のピークをすぎており、ここ18カ月で新興経済体の9割で経済成長率が減速していることを指摘している。