北京大学国家発展研究院の名誉院長を務める林毅夫氏(元世界銀行チーフエコノミスト兼上級副総裁)はこのほど、中国経済は「ニューノーマル」において、欧米とは異なり、成長の維持が可能だとの見方を示した。先進国が経済危機の持続的な影響を受けている現在、中国企業は海外でのM&Aと労働集約型産業の海外移転という二つのチャンスを迎えている。
林氏は、北京大学国家発展研究院がこのほど主催したフォーラム「中国経済のニューノーマル下での企業のチャンス」で、世界経済が幅広く成長の減速に直面するニューノーマルについて分析し、以上の見方を示した。
林氏によると、中国の経済成長率は2010年第1四半期から連続で下降しており、年平均9.8%から今年第2四半期の7.5%にまで低下した。中国と同じく、ブラジルなどの発展途上国の経済も下降傾向にあり、その原因は、外部環境と国際的な転換にあると考えられる。