日本経済の下ぶれリスクが顕在化していることにより、日本の学者が最もよく話題にする用語が「回復」から「衰退」へと変わった。最近発表された一連のデータをみると、日本経済は安倍晋三首相の2回目の登板以降で、最も厳しい寒波を迎えていることがわかる。今年第2四半期(4-6月)の国内総生産(GDP)は前年同期比7.1%減少し、5年ぶりに下げ幅の記録を更新した。上半期の貿易赤字は5兆4271億円で、1979年以来の最高となった。国内の消費需要は依然として縮小傾向にあり、貿易の不調をひっくり返すことは難しい。
安倍政権がうち出した経済政策「アベノミクス」に対する疑問の声がますます大きくなっている。日本の共同通信社が最近発表した最新の世論調査の結果によると、日本国民の84%以上が安倍政権の経済政策は経済を活性化させていないと考えている。
日本のGDPは主に内需で構成されており、輸出と関連産業が占める割合は20%にとどまる。よって経済成長を牽引する場合、国内消費と投資が主なよりどころになる。13年にアベノミクスがうち出されると、量的緩和政策や積極的な財政政策によって、富裕層の消費と公共投資が増加し、日本経済は好転しているようにみえ、政府は経済見通しを「緩やかに回復」から「回復」へと引き上げた。だが今年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられると、立ち上がり始めたばかりの日本経済はダブルパンチをくらうことになった。引き上げの狙いは、深刻な財政赤字を改善し、社会保障を強化し、日本経済が長期的な低迷から抜け出すことを後押しすることにあったが、実際には貧富の差が一層拡大し、内需は激減し、日本経済は「弱体化」から現在の「潜在的な折り返し点」(衰退の始まり)へと移ることになった安倍政権は来年に消費税率の再度引き上げを計画しているが、目下の深刻な経済情勢により、計画の実施はしばらく見合わせざるを得ないといえる。