▽円安で笑う企業、泣く企業▽
円の大幅な値下がりは日本の自動車・電子機器・観光業にとっては大きなプラスとなる。自動車産業では1円の円安で、トヨタ自動車で400億円、ホンダ自動車で120億円の利益が膨らみ、5大メーカー全体で800億円の利益増となる。仮に今年のレートが115円(1ドル)で推移したとすると、5社の利益は8000億円の増額となる。
日立製作所、三菱電機、キャノン、小松製作所、川崎重工などの電子・機械業界も円安の恩恵を受ける。大和証券の調べによると、これらの企業は1円の円安で利益率が0.5ポイント高まるという。観光・ホテル業も利益が増える。円安で海外からの旅行費用が少なくなり、旅行客の急増が見込まれている。今年1~9月までの来日旅行客数は前年同期比30%増の1000万人を突破している。