その一方で円安はエネルギー・資源の輸入産業を苦しめている。電力会社ではさらに被害が大きい。日本では石油天然ガスや石炭エネルギーはほとんど輸入に頼っているため、円安はコスト高に直結する。ある試算では、1円の円安で東京電力の燃料コストは330億円増加。現在日本の8つの電力会社のうち6社が赤字だ。運輸・製紙・食品企業も損害が避けられない。1円の円安で、日本製紙は8億円の利益が減少する。日本ではコメを除いて多くの食品は輸入が必要なため、円安は必然的に輸入食品価格の上昇となる。最近、野菜の値段が高くなったのがあちこちで見受けられる。
▽円安でも輸出は増えず▽
理論からすれば、円安になれば日本の輸出は増えるはずだ。しかし日本経済は構造が変化しており、円安になっても輸出の増加にはつながらない。日本の製造業はこれまで円安リスクを防止し、貿易摩擦を減少させるため、海外投資を増やし、国内生産は縮小させてきた。この結果、製品輸出も減少してきている。したがって、円が大幅に安くなったとしても、日本の輸出を押し上げる力にはならない。それどこは、円安はエネルギーの輸入を増加させ日本の貿易赤字をさらに拡大させるのである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年11月17日