中国経済は現在、「新常態」という歴史的段階に足を踏み入れている。中国は構造調整・モデルチェンジを推進し、中国の新たな改革開放で世界に成長のボーナスをもたらす。
中国は経済グローバル化の最大の受益者であり、経済グローバル化の主な推進者でもある。世界貿易機関(WTO)のデータによると、中国の全世界の輸入総額に占める比率は、2008年の6.9%から2012年の9.5%に上昇した。金融危機が猛威を振るった3年間(2008−2010年)に、世界の輸入額は8.4%減少したが、中国はこの流れに逆らい23.3%増を実現し、世界の需要を支え、世界貿易の持続可能な発展を促した。
特にアジアでは、中国の影響力が大きくなっている。地域内の貿易が占める比率が大幅に上昇し、地域内の貿易関係が緊密になった。中国と周辺諸国の貿易額は、2000年の1000億ドル余りから1兆3000億ドルに増加している。中国は多くの周辺諸国の最大の貿易相手国、最大の輸出市場、重要な投資源となっている。中国と周辺諸国の貿易額はすでに中国・欧州、中国・米国の貿易額の合計を上回っている。
中国の新たな改革開放は、世界に成長のボーナスを持続的にもたらす。中国共産党第十八次全国代表大会以来、中国は一連の措置を講じてきた。これには政府自らの建設の強化、国有資産・国有企業改革の推進の深化、上海自由貿易試験区の設立などが含まれる。また中国は自由貿易区戦略、地域経済一体化の推進を加速しており、12種類の自由貿易協定に締結し、20の国と地域と自由貿易を行っている。アジア太平洋の経済統合を代表するアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の交渉がすでに議事日程に上がっており、アジア太平洋経済成長の新たなエンジンになろうとしている。
中国経済の「リバランス」と構造のアップグレードは、世界に新たなチャンスをもたらす。現在世界的な範囲内で、消費者の力が従来の欧米の先進国市場から新興国市場に移りつつある。中国の消費規模は2013年に日本を抜き、世界2位の消費国になった。中国の中所得層は2020年に約6億人に達し、消費総額が2010年の3倍以上に達する見通しだ。2020年には64兆元の購買力が引き出され、中国は世界最大規模の輸入市場、成長率が世界最高の輸入市場になる可能性がある。巨大な「中国市場」は、世界経済の持続的な成長をけん引する新たな原動力になる。