中国国家統計局が9日発表したデータによると、昨年12月、中国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で1.5%の上昇となった。中国のCPIは通年で2.0%の上昇となり、2010年以来の最低水準となった。中国新聞社が伝えた。
金融危機の影響を2009年頃にゆっくりと脱して以来、中国では、インフレ防止が政府のマクロ調整の重点となってきた。
2011年、中国のCPIの通年の上昇幅は5.4%に達し、政府が設けた制御目標である4%を超えた。だが中国の金融政策が「適度な緩和」から「穏健」へと転換され、中央銀行が引き締めの措置をしばしば打ち出したことで、中国の物価上昇は徐々に収まり、安定に向かった。
2012年と2013年、中国のCPI上昇幅はいずれも2.6%で、通年目標を達成した。2014年のCPI上昇幅2%も、設けられた上限を超えるものではなかった。
インフレ圧力は一時遠のいたが、新たな懸念も現れている。昨年11月、中国のCPIは前年同月比1.4%増で、5年ぶりの低い水準となった。このことは、中国経済がデフレに直面しているのではないかという市場の側の議論を呼んだ。
経済学者の左小蕾氏は、CPIの前年同月比1.4%はデフレを示すものではなく、価格の低迷にはほかの具体的な原因があると分析している。
国家統計局都市司のシニア統計学者を務める余秋梅氏によると、11月のCPIは前月比で下降したが、これは天気や季節、国際情勢の影響を受けたものと考えられる。国家統計局のデータによると、中国のCPIの上昇幅は12月にはいくらか拡大した。食品価格は依然として物価上昇の主な原因となっている。
データによると、12月、中国の食品価格は前年同月比で2.9%上昇した。このうち卵は14.0%、生鮮果物は10.4%、生鮮野菜は7.2%、穀物は3.0%、水産品は2.4%の上昇となった。だが同時に、食肉・加工品の価格は0.2%の下降(このうち豚肉は4.9%)となった。
余秋梅氏によると、CPIに対する季節の影響と国際情勢の影響は12月も存在している。一部の地域では気温低下や降雨、降雪など天気の影響で、生鮮野菜や生鮮果物、水産品の価格の前年同月比は11月の上昇から下降に転換した。また国際市場の原油価格が引き続き低下していることから、ガソリンと軽油の価格の前期比下降は、CPIの前期比上昇幅を0.03ポイント縮小した。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年1月11日