ラテンアメリカとカリブ海の33カ国を含むラテンアメリカカリブ諸国共同体の主導者が8日、北京で行われた中国―ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)フォーラムに初めて結集した。中国の習近平国家主席は開幕式で、「我々はともに努力し、10年以内に中国とラテンアメリカの貿易規模を5000億ドル、中国のラテンアメリカ地区への直接投資残高を2500億ドルに拡大するという目標を実現しなければならない」と語り、世界の各大型メディアの注目を集めた。中国ラテンアメリカ大陸学会の徐世澄・副会長は取材に対し、中国が今回のフォーラムを2015年のホーム外交の第一ラウンドと捉え、習主席が中国と同共同体との協力に具体的な目標を制定したことは、ラテンアメリカとカリブ海の国々により多くの市場・成長・投資・協力のチャンスを与えるものだと語った。環球時報が伝えた。
中国のラテンアメリカへの貸付は安全圏内
「ラテンアメリカに対する中国のラブコールは試練を受けつつある」とする8日の英紙「フィナンシャル・タイムズ」の記事によると、ベネズエラのマドゥラ大統領は8日、中国から200億ドルの投資を獲得したと発表したが、北京で最も欲しかったもの、自国の最大の債権者からの財政の生命線の担保が得られたかは明かさなかった。北京の引き締めはラテンアメリカにとっては悪いニュースだ。中国の過去10年にわたるラテンアメリカ地区に対する貿易貸付とその投資は1000億ドルを超えている。今回は、中国のラテンアメリカの最大のクライアントが北京に新たな資金支援を求めてやってきた形だ。中国の国有銀行や企業は国際金融・投資市場の新しいプレーヤーだが、長期的にラテンアメリカ市場に投資している人がよく知るラテンアメリカ経済の大きな揺れを経験していない。記事によると、米国のある経済学者は、「中国人がいかに債務不履行を処理するかに世界は注目している。中国はこれまでにこうしたことを経験したことがない」と指摘している。
中国はラテンアメリカ国家の債務不履行の罠にはまりつつあるとの西側メディアの報道について、徐世澄・副会長は、ラテンアメリカの債務不履行のリスクは海外メディアがあおっているほど高くはないと指摘する。経済状況は良くはないが、ラテンアメリカの社会全体は安定を保っており、大規模な戦争や社会の動乱は発生しておらず、長期的に見れば、大規模な債務不履行の状況が出現する可能性はそれほど高くない。ベネズエラを例に取ると、中国は近年、協議に基づいてベネズエラに500億ドル近くを貸し付けているが、ベネズエラ側はすでに、原油貿易の形式を通じてすでに200億ドル以上を償還している。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年1月11日