23日に開かれた国務院の定例記者会見で、中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝副総裁は共同新聞社の中国のシステミック金融リスクに関する質問に対し、「中央銀行は厳格なリスク監督管理システムを構築している。足元における中国の銀行の自己資本比率は欧米の金融機関より高い。中国の金融システムは全体的に安定しており、リスクコントロールは可能だ」と述べた。さらに「金融機関のシステミックリスクを量的基準で判断しているわけではないが、人民銀行はリスク監督管理体制の構築に力を入れている。このことが大切である」と強調した。
また中国銀行業監督管理委員会の王兆星副主席は「米国で金融危機が発生して以降、中国は多くの有益な教訓を得ている。中国の銀行業はすでに国際的な監督管理改革を実施しており、資本や流動性の基準など新たな国際基準も導入済みである。さらに銀行に対してより有効な資本管理体制を要求している。これらが金融危機の発生リスクを抑えることに役立っている」と説明した。
王副主席は「現在の中国経済は改革の過程にあり、景気が減速し構造調整が進む中、前期の景気刺激策を消化している段階である。このような段階においては、産業の一部で生産能力が過剰となり、さらに一部の企業では大きな試練に直面しているところもある。これらは新たな金融リスクをもたらすものである。一部の地方における不動産投資の過熱問題や過大な地方債務にも目に見えない金融リスクが存在している」 「従って当局は、一方で銀行業自身の改革や内部メカニズムの改革を加速させることで銀行自らのリスク管理体制を強化するとともに、他方で(金融システム全体に関わる)マクロ・プルーデンスな監督基準を厳格に実施していくことになる」と説明。