産業チェーンが繁栄してはじめて、大型企業の育成が可能となる。この点は、携帯電話・電気通信業界によって実証されている。中国ではここ数年、無人機 (飛行ロボット)や家庭用サービスロボット(掃除ロボットなど)の分野で、大疆創新科技や科沃斯(Ecovacs)など潜在力を秘めたハイテク企業が相次いで誕生している。とりわけ、無人機産業については、深センで細分化された産業チェーンが形成されている。このような産業チェーンは、日本さらには世界に眼を向けても、どこにも見当たらない。中国が巨大な消費人口を擁していることは、企業がロボットの商業化モデルを急速に推し進める原動力となっており、「The Next Big Thing(次世代の大きな成長商品)」を生み出す可能性を高めている。パソコンと携帯に続く最も強力な端末であるロボットは、米アップルのような生産システムを構築する必要がある。これができるのは、中国や米国のような大国だけだ。いわゆる「ハードウェア」に通信システムとアプリを結び付ける応用局面において、すでに競争の火ぶたは切られている。
「模造品」の影響を受け、中国企業や中国人企業家の能力は、過小評価される向きがある。実のところ、多くの人が黙々とオリジナルの開発に携わっており、知的財産権、製品設計、材料応用など各分野で、ブレイクスルーを果たしている。確かに、日本にも、便座、電気炊飯器、セラミックナイフなど優秀な製品があるが、中国にも先進的な無人機、窓ふきロボット、歩行ロボットなどがある。孫社長は、ロボットを第一の武器に日本経済の競争力回復を図ろうとしているが、中国のロボット産業が停滞しない限り、その実現は難しいかもしれない。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年2月3日