経済成長率が低下しているブラジルはBRICSの一員とは見なされないとする声もあるが、ブラジルの経済界は現在直面している発展の問題は一時的なものであり、BRICSの枠組みによって今後も高い成長率を維持できると判断している。BRICSという枠組みそのものが、世界経済の発展をけん引することになる。
ブラジルのサンパウロ連邦大学金融学部教授は取材に応じた際に、「ブラジルやロシアを含む一部の新興経済国は近年、大口商品によって高度成長を実現した。BRICSは世界の経済界の、これらの国々の発展の将来性に対する期待を反映している。しかし大口商品の価格が不当に釣り上げられ、海外貿易による収入が年々拡大したことにより、資源輸出国は国内経済の構造調整の必要性をないがしろにし、経済効率が低下した。現在は世界経済の回復が遅れ、米連邦準備制度理事会が量的緩和を終了しており、ブラジルやロシアなどの国の経済成長率が低下している」と分析した。
同教授は、「BRICS諸国間には高い相互補完性と協力の潜在力が存在し、各国に自国の短所を補う条件を提供している。BRICSの協力において、BRICS開発銀行が非常に重要な力を発揮する。まずBRICS諸国はこの新興金融機関から、発展に必要な資金を調達できる。次に各国はこの枠組内で通貨スワップなどの金融交流を実施し、経済および通貨の衝撃に耐える力を強化できる」と指摘した。
ブラジルIBMEC大学客員教授、米コロンビア大学BRICS研究所共同所長のマルコス・トロイーホ氏は、BRICS諸国の協力枠組みは、「BRICS1.0」から「BRICS2.0」にアップグレードしつつあると述べた。