▽求められる発展方式の転換
市場では、日本経済が抱える難題を不安視する声も高いが、前向きに考えれば、日本経済がそれほどひどい状況に陥っているとは言えない。
劉雲氏によると、いわゆる2%のインフレ目標は絶対的なものではなく、一面的な指標にすぎない。「インフレ目標は重点ではない。量的緩和で何をしようとしているのか。日本人は何をより気にしているのか。根本的に言えば、円安と量的緩和によって示される通貨戦争がもたらす経済的利益であり、これは現在の日本経済にとって良い選択肢となっている」。劉雲氏は、「輸出面から言えば、米国やアジア地域に対する日本の輸出は復調しつつあり、欧州への輸出も谷間を経て伸びつつあり、大口商品価格も高まっており、好材料はいくつもある」と語る。
日本財務省が2月19日に発表した最新データによると、日本の1月の輸出は年率換算で前月比17.0%の成長を記録し、連続5カ月のプラス成長となった。このうち対中輸出の伸びは年率で20.8%、対米輸出の伸びは同16.5%、対アジア輸出の伸びは同22.7%(アジアは日本の輸出の半数以上を占める)だった。
米国経済の回復と原油価格低下、円安の後押しを受け、日本の輸出は好調な兆しを見せている。
劉雲氏によると、日本のCPIがここ数カ月、2.3%前後で推移しているのは正常な現象と考えられる。「2014年の日本国内の賃金は下落した。日本の経済学者によれば、いわゆる日本の内需というのは『偽の命題』だという。高齢化に伴う社会構造の変化などから考えても、日本の内需はすでに限界に達していると考えられる」
中国現代国際関係研究院日本研究所の劉雲・補助研究員は、少なくとも日本の地方選挙までは、新たな政策が打ち出されることはないと予想する。「現在の量を維持できれば上々と考えられている」