ある分析によると、中国はすでに工業化の中期に入っており、土地や労働力の価格が上がり、環境負荷も高まっており、産業移転は必然の流れと言える。国内の産業移転は現在、二つの面で進んでいる。一つは西部地域への移転であり、もう一つは東南アジア諸国への移転である。これと同時に、中国を投資の第一候補としていた外国資本も東南アジアに目を向けている。ナイキの靴の生産は2000年、中国が世界最大の40%を占めていた。現在はベトナムがナイキの靴の最大の生産国となっている。
自動車産業に詳しい専門家の趙岩氏によると、労働力コストの上昇は原因の一部にすぎず、外資企業の撤退や再配置の最大の原因は、中国経済が「新常態」(ニューノーマル)を迎えたことにある。2015年冬季ダボス会議では、西側の経済学者らが、中国の30年余りの改革開放の中で、過去10年は経済の急成長が維持されていたのに対し、現在は経済の転換と痛みに直面していることに憂慮を示した。彼らは2015年から2025年までの中国経済の平均成長率は4%から5.5%となるだろうとの見込みを示した。
国家統計局が1月に発表した経済データによると、中国の2014年のGDP成長率は7.4%で、予想値は上回ったものの、24年ぶりの低さとなった。2013年のGDP成長率は7.7%だった。