上海市で範囲を拡大し、天津市・広東省・福建省で間もなく設立されようとしている中国自由貿易試験区は、点と点を結ぶ線を形成しようとしている。
天津自由貿易区のプラン起草チームのメンバー、天津市自由貿易区研究院執行院長の劉恩専氏は、「名称を見ると、4大自由貿易区はいずれも中国自由貿易試験区と呼ばれ、地方の名称がカッコ内に記入されている。優遇策を争奪するのではなく、まずは国家の制度の試験に協力することになる。自由貿易試験区が位置する沿岸部の都市、中心都市には規則を把握する能力、世界の資源を集約する能力、リスクを管理する能力がある。また一定の経済力を持ち、全国に複製・普及可能な経験を提供できる」と述べた。
自由貿易試験区の建設には、重要な国際的背景がある。中国は新情勢に対応し、他国と国家間の自由貿易区の建設に関する交渉を積極的に進めている。中国は現在、アイスランドおよびスイスとの自由貿易区を設立しており、中韓・中豪自由貿易区も実質的な交渉を終えた。中日韓自由貿易区の交渉の加速、湾岸協力会議やイスラエルなどとの自由貿易区の交渉の推進、中国・ASEAN自由貿易区のアップグレードおよび東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉、アジア太平洋自由貿易圏の建設なども、政府活動報告の新年の活動計画となった。
劉氏は、「中国が今後、他国・地域との貿易で利便化を実現したとしても、内部の通関や審査が緩慢であれば連結が不可能だ。ゆえに国内の自由貿易試験区は、自由貿易の模索に向けた試験と準備を行う」と指摘した。
また自由貿易試験区は、国家と地域間の自由貿易区、中国の「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)という重要戦略の使命を担っている。全国両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)の出席者と専門家らは、広東自由貿易区は香港・マカオと積極的に連結し、福建自由貿易区は海峡両岸の協力を重視し、天津自由貿易区は中韓自由貿易区および北東アジア全体と連結するべきだと表明した。
劉氏は、「点―線―面という発展の流れに基づき、中国の自由貿易試験区は最終的に国内でより広い範囲を網羅する。その経験は最終的に全国範囲の普及により、一帯一路戦略と連結する。自由貿易試験区そのものではなく、自由貿易の制度と理念が各地で花開くことになる」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年3月13日