第一に、集中型消費の原因は、収入の高低にかかわらず、消費者の構造の類似性にある。世界観光都市連盟の発表した「中国国民出境(都市)旅行消費市場調査研究報告」によると、中国人海外旅行者の一人当たりの月収の平均は1万1512元で、そのうち1980年代生まれが半数を占める。若者はもう「中国大媽」(中国のおばさん)を笑ってはいられない。これらの若者の多くは、勤務年数が限られているために休暇期間には限りがあり、消費能力は一定程度高く、収入水準も似通っている。
このことからわかるのは、過去に国内で消費水準が低かった時に出現した集中型消費の原因は収入が低いことにあるだけではなく、「みんなの収入が低かった」ことにあったということである。また現在の海外消費での集中型消費の原因も収入が高いことにあるのではなく、「みんなの収入が同じくらい高い」ことにある。
第二に、中国の海外旅行ブームはまだ初期段階にあり、海外に行って何をするか、何を買うかを考える時、どうしても他人に習うケースが多くなる。個性的な旅行や消費はまだ目立たない。
1兆元の購買力が海外に向けられていることには、政府も企業、メディアも目を向けなければならない。高虎城部長は、同一商品の国内外での価格差の原因について、関税と流通、海外での定価制の3つを指摘している。高部長はこの3分野での取り組みも言明しており、将来は改善が期待される。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年3月14日