タイのプラユット首相は交通相に対して、タイ国内の2本の高速鉄道プロジェクトを巡り日本側と交渉し、4月末までに内閣に報告書を提出するよう指示した。
プラユット首相は2014年12月に訪中した際に、京津(北京ー天津)高速鉄道を体験した。今年2月に東京を訪問し、プラユット首相は東京ー大阪間の新幹線をも体験した。プラユット首相は新幹線の体験後、「わが国にも高速鉄道があれば良い」と述べた。プラユット首相はその後タイ国内で、高速鉄道プロジェクトの始動を正式に支持した。
インラック政権時代、タイはすでに高速鉄道の発展を計画していた。しかし当時の政治コメンテーターは、高速鉄道プロジェクトは総工費が高くつくため、最終的には実現困難だと分析した。またある批判者は、プロジェクトが竣工したとしても、その乗車料金は一般人の許容範囲を上回り、旅客機に乗るよりも割に合わないと指摘した。
タイはインドシナ半島で最も重要な地理的位置を占める、経済が最も発達した国である。中日はタイの鉄道建設で主導権を握れば、インドシナ半島全体の鉄道網の優位を占めることになる。単純に商業的な見地から比較すると、日本の海外における鉄道建設費は中国を上回る。しかし日本は最終的にタイの鉄道建設の受注を獲得するため、政府開発援助(ODA)という手段により資金援助を行うことになるだろう。この措置は日本政府の財政に一定の圧力をもたらす。これはタイの鉄道建設を巡る競争において、日本の戦略がすでに経済の範囲を超え、政治的意味合いを持っていることを意味する。