巨大な財政赤字を抱える日本では、政府の支出には限界があり、多くの中小企業に対する支援が抑制されている。瀬口氏は、中国経済との協力の強化はこの点でも、日本企業を活性化し、日本の地方経済を振興する手段となると指摘する。
日本にとっては、中国の経済発展にも米国の経済発展にもメリットがある。だが瀬口氏によると、中国の対米輸出は日本をはるかに上回っており、中国経済の順調な発展は日本にとってより重要となる。
また瀬口氏は、中国経済の「新常態」(ニューノーマル)を高く評価している。2012年第1四半期までの10年間、中国経済の成長率は高い水準を保ち続けた。だがこの間、中国のインフレ率は3回にわたって5%を超え、「ノーマル」を逸脱していた。2012年第2四半期以降、中国政府は、インフレ率を3%以下に抑えることに成功している。
これまで過熱気味だった固定資産と不動産の投資市場に対しては、中国政府は市場の力を活用してこれを有効に抑制し、その良好な発展を促している。「この『ダイエット政策』は中国経済にプラスに働くだろう」