アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバー国は5月20日よりシンガポールで、会期3日の非公開会合を開く。AIIBの首席交渉官会合はこれが5回目で、正式な創設前の最も重要な会議とされている。
慣例に基づき、今回の会合は中国財政部および開催国であるシンガポールの財務省が主宰する。初代総裁候補と目される中国財政部元副部長の金立群氏も出席する。
57カ国の財務担当者は今回の会合で、AIIBの出資比率、投票権、理事会構成、初代総裁の人選など、さまざまな具体的な問題について協議する。
会合を主催する中国財政部副部長の史耀斌氏は以前、6月末までにルールの調印を終え、国内の法的な審査手続きに入り、年末までに正式に創設し早期運営を目指すと述べていた。
今回の会合からルールの調印まで、40日未満の時間しか残されていない。これはルール調印前の、最後の活動準備会合になる可能性がある。
【最大の出資国は中国】
AIIBは中国が創設を提唱したアジアの多国籍開発機構だ。2014年10月に調印されたAIIB設立の了解覚書によると、AIIBの本部は北京に置かれる。中国はAIIBの最大の出資国になる。この点については、異論はないはずだ。
現時点で最も可能性の高い出資案はこうだ。中国などのアジアのメンバー国が全体の75%を占め、欧州などの地域外の国に残りの25%を分配する。投票権と直接関連する出資比率は経済規模をベースとし、各国の名目GDPおよび購買力平価基準のGDPを6対4の比率として計算する。
韓国対外経済政策研究院が先ほど発表した研究結果によると、上述した案が採用された場合、AIIBの最大の出資国は中国(30.85%)となり、2位以下はインド(10.4%)、インドネシア(3.99%)、ドイツ(3.96%)、韓国(3.93%)となる。
しかし一部メディアは、英独仏などの加入を決定した約20の欧州諸国は発言権の拡大を目指し、地域外の国家に分配される出資比率を30%に引き上げるよう求めていると報じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月21日