李克強総理は今週、初となるブラジル訪問によって両国の協力の「アップグレード版」を構築するため、2本の「新たな道」を切り開いた。「両洋鉄道」のフィジビリティスタディのスタートは、李総理の今回の外遊の最も注目されている成果だ。米IBTimesは5月21日、中国政府はこの大規模な鉄道プロジェクトの建設推進を目指していると報じた。同鉄道はブラジルとペルーを跨ぎ、大西洋と太平洋を結ぶ。ブラジル国内の商品がよりスムーズに、安い値段で中国に輸出される。アナリストは、この中南米にとって空前絶後のプロジェクトについて、「この高水準のプロジェクトは、ウィンウィンの結果をもたらす」と予想した。
「両洋鉄道」はブラジルの大西洋側の港「Porto do Açu」と、ペルーの太平洋側の港「Puerto Ilo」を結ぶ。鉄道の総延長は約5300キロ。
ブラジルの高官は昨年、ロイター通信の記者に対して、「両洋鉄道」は商品の輸送時間を短縮し、ブラジル産の穀物の中国への輸送費を削減すると述べた。具体的に見ると、輸送費は1トン当たり30ドル削減される。
中国はブラジル・ペルー両国の主要貿易相手国だ。中国はブラジルの鉄鉱石と大豆の最大の輸入国であり、ペルーの輸出商品のうち最大の比率を占める金や銅などの主要鉱産物も中国市場に輸出されている。
ボストン大学国際関係学准教授のケビン・ギャラガー氏は、各国は「両洋鉄道」プロジェクトに財政面の期待を寄せていると指摘した。中国の経済成長率が低下する中、「両洋鉄道」が竣工すれば、中国はよりスムーズに原材料を獲得し、物流コストを削減することもできる。また「両洋鉄道」は中南米の疲弊する経済情勢に対して、重要な促進作用をもたらす。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月22日