中国・中南米協力はアップグレードしつつある。李克強総理の南米歴訪がそれを力強く証明している。中国とブラジル、コロンビア、ペルー、チリとの協力がアップグレードされ、中国・中南米史上最良の時期が延長された。中国・中南米関係が中国・欧州間同様の政治対話、経済協力、人的・文化交流の柱を築くことには尋常ならざる意義がある。(文:王義桅・中国人民大学国際問題研究所所長、重陽金融研究院シニア・フェロー。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
習近平国家主席は昨年、中国と中南米全体の協力の新枠組み「1+3+6」を打ち出した。つまり1つの中国・中南米協力計画を指導とし、貿易、投資、金融をエンジンとし、エネルギー資源、インフラ整備、農業、製造業、科学技術革新、情報技術を重点協力分野とすることだ。まさにこの「1+3+6」枠組みが中国・中南米協力の指針となり、中国・中南米フォーラムが構想から現実になり、かつ中国・中南米協力の新たなプラットフォーム、新たな出発点、新たなチャンスとなったのだ。
中国・中南米協力の開幕を受けて、いかにして双方の実務協力を推進し、協力の突破口を見出すかが当面の急務となっている。中国経済の新常態、資金・技術・生産能力の優勢、および中南米経済発展の特徴とインフラなどのアップグレード・モデルチェンジといった差し迫ったニーズを前に、李総理は中国・中南米生産能力の新モデル「3×3」を打ち出した。これは中南米諸国のニーズに合わせて物流・電力・情報の三大通路を共同建設すること、市場経済法則に従って企業・社会・政府の三者間の良好な相互作用の協力方式を実行すること、中国・中南米協力事業をめぐり基金・融資・保険の3つの資金調達ルートを拡大することを旨としている。インフラ整備から着手し、国際生産能力協力を突破口に、中国・中南米経済貿易のモデル転換を推進し、中国・中南米協力のアップグレード版を築こうとするものだ。