簡単に言えば、中国・中南米協力のアップグレードは互恵協力の潜在力から共同発展に尽力する原動力への転化、つまり現実の互恵・ウィンウィンに着眼するモデルから将来の共同発展を先導するモデルへの転化に示される。これは波及効果を生み続け、世界的意義を鮮明にする。世界的意義は主に3つある。
(1)他の二国間自由貿易協定(FTA)のアップグレードを先導し、世界レベルのFTAのネットワーク化を促進する。中国とチリの自由貿易協定のアップグレードは、中国・ASEAN自由貿易協定のアップグレードにとって重要な啓示だ。つまり協力に精神を集中し、一意専心に発展を図るということだ。南中国海問題という妨害を排除し、21世紀の海のシルクロードの建設というチャンスを十分に活用して初めて、中国・ASEAN自由貿易協定のアップグレードは順調に進む。
(2)中国・中南米協力は「ナマズ効果」を生み、他の国と中南米との関係発展を力強く後押しする。中国・中南米協力は欧米の利益を損なっておらず、反対に米国をキューバとの関係改善へと駆り立て、中国・欧州による中南米市場開発協力を後押しし、良好な競争と協力・ウィンウィンという波及効果を形成している。ひるがえってアジアを見ると、米国は現在南中国海、東中国海などの問題においてゼロサム思考で、アジア太平洋に緊張をもたらし続け、アジア太平洋協力の大局を妨げ、アジア太平洋の幸福を損なっている。