今年、日本の厚生労働省の国家公務員を取材した際、この公務員は日本の福利厚生が大変厳しい状況を迎えていることを明かした。高齢化の影響を受け、国家の財政のうち年金支給額がますます増えつつあると同時に、年金を支払う若者がますます少なくなっているからだ。このほか、日本はこれまで国家財政の実力を超える高い福利を踏襲してきたが、現在の高齢化社会は贅沢な生活に慣れた高齢者に質素な生活を強いるものとなっている。
40数年前、田中角栄首相はそれまでの年金基準を2.5倍に引き上げて毎月5万円とした上で、さらに70歳以上の高齢者の医療費を無料化した。その後、日本の若者の敬老意識はますます薄くなっているにも関わらず、日本の政治家の敬老への希望はますます強くなっている。石油ショックにより日本の高度経済成長期が終わっても、高齢者の票を獲得するために、政治家たちは高齢者に向けて日本経済の実力以上の医療費や年金などの社会保障費を支給し続けた。月日が経ち、日本の社会保障制度や国家財政には黄色信号が点滅し、政府は年金の支給を削らざるを得なくなった。しかし、高齢者は明らかにこの現実を受け入れられずにいる。今年の4月、徳島県の高齢者16人は徳島の地方裁判所に、政府が消費税を上げると同時に、公的年金支給額の引き下げたことは生存権を侵害し、違憲だとして国を相手に提訴し、公的年金の減額の取り消しを求めた。当時、74歳の高齢者は、「これは高齢者の生活が実際にどのような状況にあるかを無視する決定で、食費、光熱費などの値上がりもあり、受け入れることはできない」と訴えた。
現在、日本の一般的な市民でも老後に貧困生活に陥るのではないかと心配する人は少なくない。最近、東海道新幹線で起きた焼身自殺事件が国民の不安をさらに増幅させたことは間違いないだろう。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年7月7日