米CNNウェブサイトの21日の記事によると、中国ではここ半年、1億ドル以上の資産を持つ富豪(ビリオネア)が毎週一人の割合で増えてきた。また2010年以来、100万ドル以上の資産を持つ富豪(ミリオネア)は倍増し、100万人の大台を突破した。そのため多くの人は、中国の高級ブランドブームは今後も続くだろうと予想している。だがその願いが事実になることはなさそうだ。
中国マーケットリサーチグループの推算によると、ここ12カ月で中国の高級ブランド消費額の増加率はすでに下落し始めている。
イタリアの高級ブランド「プラダ」によると、中国地区での販売状況が思わしくないため、同社の2015年第2四半期の利潤は44%縮小した。グッチやアレキサンダー・マックイーン、ステラ・マッカートニーなどを保有するフランスのケリンググループによると、今年第1四半期のアジア太平洋地区の売り上げは10%減少した。
多くのアナリストは、利潤の下降は腐敗撲滅に起因していると分析している。これは事実なのだろうか。
報道によると、腐敗撲滅の影響があることは確かだ。だが販売が落ち込んでいるのは腐敗撲滅のためだけではない。中国人の消費傾向が変化した影響も大きい。人々の消費スタイルは現在、形あるものの購入から、人生の経験の購入へと転換しつつある。
中国マーケットリサーチグループはここ1年で、資産1200万ドル以上の中国の富豪数10人に対する調査を行った。これによると、富豪らはもはや、高価なバッグを買って自らの地位をアピールしようとはしなくなっている。彼らが社会的地位を示す方式は、カリフォルニアやシドニーなどに3、4軒目の住宅を買ったり、一生に一度の世界旅行を始めたり、フランスへ酒を楽しむ旅に出かけたりすることなどへと移っている。