国際通貨基金が23日に発表した報告書によると、日本経済は今、回復の途上にあり、2015年の経済成長ペースは0.8%、16年は1.2%になることが予想される。だが持続的な貿易赤字、米国との環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の膠着、中国や韓国との関係の冷え込みが日本のパワーを消耗させているという。日本の貿易赤字はこれからも続くのだろうか。専門家はさまざまな見方を示す。
商務部(商務省)国際貿易経済協力研究院アジア太平洋研究センターの徐長文センター長は、「日本が必要とするエネルギーや原材料は基本的に輸入に頼っている。以前はエネルギー・原材料価格が高騰し、日本の対外貿易はいつも赤字だった。ここ数年はエネルギー・原材料価格が低下し、日本の輸入と貿易赤字の緩和にプラスになった。だが日本は今、円安政策を推進しており、為替レートは数年前の1ドル80円から1ドル123円の円安となり、輸入価格の上昇を招いた。欧州や米国の経済不振が国際市場を萎縮させ、日本の輸出の伸びにも影響を与えている。よって日本の貿易赤字は今後も続くとみられる」と話す。
南開大学日本研究センターの張玉来副センター長は、「日本の貿易は引き続き赤字の状態が続く。月別貿易データをみると、2014年4月以降、日本の貿易赤字は徐々に規模が縮小し、2015年3月には一時的に黒字の状態を回復した。だがこうした動きも大局を変えるには至らず、日本の貿易は今年も来年も赤字が続くとみられる」と述べ、その原因として次の3点を挙げた。