SDRはIMFが1969年に創設した一種の国際準備資産であり、金1オンス=35SDRと定められた。そのためSDRは「金の紙幣」と称された。SDRの構成通貨には現在、米ドル、ユーロ、円、ポンドの4種類が含まれる。IMFは5年毎に構成通貨の見直しを行い、国際的な取引において最も代表的な通貨を収める。共同通信社の25日の記事によると、中国がSDR加入を強く希望していることから、IMFは29日より議論を開始する予定だ。人民元がSDRの構成通貨になれば、「中国の金融市場における存在感が強化される」という。
関係者は、人民元のSDR構成通貨入りを楽観視している。オランダのINGグループは、人民元がSDRの構成通貨になると予想した。米ビジネスインサイダーは、人民元が世界の準備通貨になる可能性が「非常に高い」とした。ロンドンの外為取引プラットフォーム「ParFX」のマークスCEOは29日、ウォール・ストリート・ジャーナルに対して、「人民元の台頭は世界の通貨にとって、1999年のユーロ誕生以来の最大の進展となる。人民元は今後10年間に渡り、世界で最も主要な通貨の地位を脅かす可能性がある」と指摘した。
IMFの高官は、人民元のSDR構成通貨入りを積極的に捉えている。IMFのラガルド専務理事は6月に上海で、「中国のSDR加入は疑いようもないことであり、問題はいつになるかだ。これは中国茶をいれるのと同じで、どのようにいれるか、どれほど待つかなど、適切なタイミングをつかまなければならない。一連の小さなステップを通じて完了する必要があるかもしれないが、中国がSDRに加入する正当性を疑問視する人はいない。中国の資本勘定自由化、金融市場の深化といった経済改革の計画は、SDR構成通貨の基準を満たす一助になる」と述べた。
中国人民大学重陽金融研究院の研究員である劉英氏は29日、環球時報の記者に対して、「人民元は5年前にSDR構成通貨入りを目指していたが、実現されなかった。これは人民元の国際化が不十分であったことが主因だ。人民元国際化は近年加速しており、主要輸出国、自由な使用という2つの基準をほぼ満たしている。市場でささやかれている、変動為替相場制の実施、中央銀行の高度な独立性などは、IMFが認める基準ではなく、誤解にすぎない」とした上で、人民元が今年中にSDR構成通貨入りする可能性は高いと予想した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年8月1日