IMFのマーカス・ロッドラウアーアジア太平洋地区担当副主任は、「中国経済は引き続き大きな成長余地があり、これまでのように必要な対策を継続して実施していかないと今後の成功は望めない。マクロ政策と改革は往々にして苦難に満ちているが、これらを急速に進めれば、経済成長促進効果の早期発揮が期待できる」と語った。
人民元為替相場について、IMFはここ10年で初めて「もはや過小評価されていない」と評価した。中国銀行国際金融研究所の周景彤高級研究員は、「人民元相場は今後、より市場原理に沿ったものとなる。人民元対米ドルレートがすでに均衡のとれた水準に接近していることを考えれば、人民元相場は今後、基本的に安定し、小幅に変動するのが通常の状態になる。」との予測を示した。
IMFの楽観的な評価には根拠となる数値がある。国家統計局のまとめでは、現在の雇用、物価、不動産に関する統計は比較的良好に推移している。中国人民銀行(中央銀行)の馬駿チーフエコノミストは、IMFが15年の中国GDP成長率予想を6.8%としていることについて、これはやや控え目な見方だと指摘。下半期の前期比での成長ペースは上半期を上回るとみており、年間トータルでは7%前後に達する可能性が高いとしている。