中国企業のハイスピードが世界を驚かせた。しかし、それは競争力の一面に過ぎない。世界トップレベルの高品質も世界の国々から評価されている。アフリカ西南部・アンゴラの住宅地整備、エチオピアのアフリカ連合(AU)本部ビル、ネパールの発電プラント、サウジアラビア・メッカのモノレール――。過酷な作業環境で中国企業が手がけてきた数々のプロジェクトは、いずれも想定を超える高品質を確保した。
高品質を支えるのは中国企業の熟練した技術と、常に上を目指す努力だ。当然、過去には「手抜き工事」で信頼が傷つく痛い教訓もあった。また、経験不足で多額な損失を招いてしまった企業もある。メッカのモノレールプロジェクトはその一例。見積もりの甘さから工事を引き受けた中国中鉄は2010年に巨額の損失を計上。幸いなことに高品質の工事でサウジアラビアから好評を受け、中東市場への進出を拡大する足がかりを築いた。失敗を心に刻み、教訓を生かしたからこそ、中国企業が強くなった。