中国外交部の李保東・副部長は17日、2014年、中国の対米投資が初めて、米国の対中投資を超えたことを明らかにした。中米は二国間投資協定(BIT)をめぐる交渉を積極的に進めており、中米経済の発展に新たに巨大な原動力を注入しようとしている。中米両国の经済をめぐる連携は、明るい見通しとなっている。環球時報が報じた。
李副部長は北京で開催した記者会見で、国際社会の関心を集めている中国経済の成長減速や下方圧力に関して、「調整の過程」であると説明した。そして、減速の原因として、▽世界経済が不安定▽中国金融市場が不安定▽中国経済が長期にわたって急速に発展した過程で課題が蓄積された---の3つを挙げた。「それでも、中国経済は今年上半期、7%の増加を実現しており、世界を見ても中国経済の成長速度は依然として上位に位置している。中国経済は、今後も安定して成長する能力と条件を兼ね備えている」。
また、李副部長は、「注目に値するのは、2014年、中国の対米投資が米国の対中投資を初めて超えたこと。中米はBITをめぐる交渉を積極的に進めており、交渉がまとまれば、中米関係にとっては、『発展のための新たな巨大な原動力』となるだろう」と指摘した。その他、中米は相互補完し合い、共同で第三国市場の開発に取り組む。中国は、米国が対中直接投資の規模を拡大させることを歓迎しており、民間の科学技術の中国輸出制限緩和など、米国が中国企業に一層公平な市場環境を提供することを期待している。
シンガポールの証券会社・UOBケイヒアン証券の経済学者・朱超平氏は17日、「中国商務部(省)が公表しているデータによると、13年、中国の対米投資額は、38億7千万ドル(約4644億円)だった。しかし、14年の米国の対中国の直接投資額は26億7千万ドル(約3204億円)に過ぎなかった。中国の14年の対米直接投資額はまだ公表されていないものの、成長速度から見て、中国の対米投資額が米国の対中投資額を超えたのは明らか」と指摘した。
15年に発表された「世界投資報告書」によると、海外からの直接投資規模を見ると、14年、中国は米国を超え、世界最多の直接投資を引き付ける国となった。同年、中国には前年比50億ドル(約6000億円)増の1290億ドル(約15兆4800億円)の直接投資があった。同規模において、中国が米国を超えたのは初めて。中国の「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)構想も中国資本の対外直接投資を加速させている。中国資本の対外直接投資は今も右肩上がりとなっている。うち、中国の対米直接投資は近年、急増している。00年から14年、中国企業が米国で機関を立ち上げたり、M&Aを行うために投じた資金の額は460億ドル(約5兆5200億円)に達した。投資額はここ5年、顕著な増加を見せている。14年末の時点で、中国企業は米国全土に1583機関を設立している。
「人民網日本語版」2015年9月20日