今年はじめから「外資の中国撤退論」がマスコミで大きく報じられた。さらに最近また一部のマスコミが同じ話をむしかえしている。しかし、そうした一連の報道は以下の事実を説明するのだろうか。「投資契約数1571件、総投資額5103億元」―アモイ国際投資貿易商談会2015(期間4日間)で契約された投資案件に関する数字である。実際、この数字を見た世界の企業家は「中国に世界からの投資が続いている」という安心感を得たのである。
ここ数年、国外からの直接投資(FDI)が大きく変動している。国連貿易開発会議がまとめた「世界投資報告書」によると、2014年の世界のFDI総額は1兆2300億ドルと、前年に比べ16%減と大幅に減少した。こうした状況下、一部の多国籍企業が世界戦略の見直しを行い、一部の国・地域から撤退するのは、しごく当たり前であろう。
しかしFDIの中身を地域別に見てみると、流入が減少しているのは先進国であり、発展途上国ではない。むろん中国ではない。2014年の先進国向けFDIは前年比28%減と大幅に減少したが、発展途上国向けは2%増の6810億ドルと過去最高を記録した。中国向けについても4%増加し、アメリカを抜いて世界一の外資流入国となっている。中国が依然として世界の投資を引き付ける最も魅力的な国であることが証明されたといえよう。