中国の自動車市場は回復の兆しが顕著になりつつある。業界団体「全国乗用車市場信息聯席会」(CPCA)からの情報によると、10月の国内乗用車販売台数は過去数カ月に比べ大幅の増加。11月と12月の先行きも明るいなか、自動車市場に対する悲観的な予想は一変する可能性がある。専門家の間では、小排気量車を対象とする車両購入税の半減措置を追い風に、第4四半期の販売が好調に推移し、通年の販売台数伸び率を押し上げると見る向きが多い。
CPCAのまとめによると、10月の国内自動車市場で、乗用車(セダン、SUV、MPV)の出荷台数は前年同期比14.9%増の187万9000台に上り、ワンボックスカーを含めると同13%増の193万3000台に達した。
9月の自動車販売台数は6カ月ぶりに前年同期を上回った。販売状況の好転について、CPCAの崔東樹・秘書長は、中国政府による小排気量車の減税措置が主因と分析している。
その上、崔秘書長は今年の自動車販売台数が前年比で約5%増になるとの見通しを示した。「10月は大幅増を記録したものの、その前の数カ月が低迷していたため、通年ペースで5%前後に落ち着くだろう」と説明している。
自動車業界の専門家、張志勇氏も5%の伸び率を予測。「9月時点で、今年はマイナス成長になるとの見方も出ている。当時は政府が市場支援策として小排気量車の減税措置を打ち出すことをだれも想定していなかった。前年同期比で販売台数が数倍増の勢いで伸びている新エネルギー車も、市場活性化の起爆剤となっている。ただ、経済成長の鈍化、需要の弱含みといった要素も依然存在するため、今年の伸び率は例年をやや下回るかもしれない」との見解を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年11月11日