国内建設中の「華龍一号」モデルプロジェクトの工事現場
主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれているトルコで15日、中国核工業集団(中核集団)とアルゼンチン原子力発電会社(NA-SA)が原子炉2基の建設について契約した。中核集団の銭智民・総経理とNA-SAのアントゥネス総裁は重水型原子炉の建設で正式に調印。加圧水型原子炉をめぐっても枠組み契約を交わした。中核集団はNA-SAと共同で、アルゼンチン国内で4基目と5基目の原子炉の建設を進める。中国独自開発の「華龍一号」技術がアルゼンチンへの輸出を果たす。
中核集団が中国政府の掲げている「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)戦略と原発の海外進出戦略を推進するなかで、今回の契約は新たな重要成果だ。海上シルクロードの起点である福建省福清で国内初の「華龍一号」モデルプロジェクト・福清原発5号が建設中。「一帯一路」沿線国でも、海外初の「華龍一号」原子炉が着工。これに続き、「華龍一号」技術は激しい市場競争が繰り広げられている中南米へ輸出する道が拓かれた。