「膨張」
中国のロボット産業は勢い良く成長しているが、専門家は「膨張」にも注意を呼びかけている。ロボット技術国家工程研究センターの王天然主任は、「中国のロボットの自前の生産能力はいくらか高まっているものの、そのシェアはまだ小さい。中国のロボット応用は均衡を大きく欠き、南東部の沿岸地区に集まっている。その多くは自動車・電子産業に応用されている」と指摘する。
王主任によると、ロボットの応用では現在、「人との融合」が大きな障害となっており、これは中国にとってチャンスともなる。「人との融合は次世代ロボットの特徴となる。各学科の交差・結合はロボットに新たな発展のチャンスをもたらす」
ロボット大会は、ロボット産業の4大巨頭とも言えるスイスのABB、ドイツのクーカ、日本の安川電機とファナックも登場した。4社の中国市場でのシェアは60%に達している。中国のロボット企業は4000社が登録されているが、まったく太刀打ちできていない。
新松ロボット自動化株式有限公司の曲道奎総裁は、ロボット市場は確かに広大な見通しを持っているが、もしも同質的なローエンドでの拡張が続き、ハイエンドへのブレークスルーが追求されなければ、国産ロボットの未来は、「他人が肉を食べている横で自分はスープを飲んでいるだけ」という状況に陥りかねないと指摘した。
専門家の分析によると、国産ロボットメーカーには、顧客の応用ニーズからの着手が求められる。また長期的に見ると、ロボットの発展には、核心部品の技術というカギとなる難題でのブレークスルーが不可欠となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年11月24日