大足県は重慶市の市街地から車で1時間ほど離れた位置にある。しかしここではロボット企業が粘り強く成長しており、スイスやドイツなど世界一流のロボットサプライヤーから注文を獲得している。
物語は、火鍋から始まった。
重慶市民は火鍋を好む。火鍋店では大量の流し水が発生するが、手間を省きたい経営者はこれを直接台所に流し、地下水路に流し込む。
火鍋店ばかりではない。建設現場の業者も手間を省こうとし、建築作業の廃棄物を地下水路に捨ててしまう。
油に固体廃棄物が混ざり、都市の「腸」が「腸閉塞」に悩まされた。
直ちに詰まりを解消しなければならない。詰まりは深刻で、さらに悪臭が立ち込めるため、人は作業のために下りられない。そのためロボットが登場するしかなかった。
世界トップクラスのロボットサプライヤーに依頼し、大金を費やし外国の専門家を「診断」に招いた。専門家は帰国後、しばらく検討を重ねたが「処方箋」を出すことができなかった。
「わが社が試してみよう」重慶瀚徳高科ロボット公司が手を上げた。
10日も立たずに、プランが出された。ロボットアームを使うのだ。それから10日後、問題となっていた詰まりが解消された。こうして現地のロボットは、呼ばれればすぐどこにでも行くという、外国産ロボットにはない強みを示した。こうして受注を獲得し、自信を深めた。