南アフリカのニュースサイト「news24」は3日、中国の習近平国家主席が中国・アフリカ協力フォーラムの開催前に、南アフリカのジェイコブ・ズマ大統領と会談したと報じた。両国は2日、総額940億ランド(1ランドは約8.53円)の26件の協力取決めに調印した。協力範囲には、採鉱、観光、電力などの各分野が含まれる。南アフリカの英字紙『The Citizen』によると、協力取決めは南アフリカの成長の原動力が乏しい経済を力強く促進する。
習主席はズマ大統領との会談において、「中国は両国の『同志にして兄弟』という特殊な関係の発展を重視している。中国は南アフリカによる両国の生産能力の協力のけん引を支援し、アフリカの産業化の努力を促進し、金融機関の南アフリカへの融資の規模拡大を支持し、金融協力の革新に取り組み、BRICS新開発銀行のアフリカ地域センターの設立準備の加速を支持し、南アフリカとアフリカ諸国の発展に向け積極的な力を発揮していきたい」と表明した。3日付南アフリカ有力紙『Sunday Independent』によると、ズマ大統領は両国関係が歴史上最高の時を迎えたと称賛した。両国の貿易額は、2013年より2倍に拡大している。
ロイター通信によると、両国が新たに締結した協力取決めには、中国が南アフリカ電力公共事業に5億ドルを融資する内容が含まれる。両国はさらに、原発の協力の強化に関する協定を締結した。また中国は南アフリカの自動車製造工場の建設に協力する。同工場は2017年末に、その他のアフリカ諸国に自動車を輸出できる見通しだ。ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)の報道によると、ズマ大統領は両国の風力発電・太陽エネルギー・水力発電などのエネルギー分野の協力について、メディアに熱心に説明した。ズマ大統領が中国とのエネルギー協力に意欲的なことには、理由がある。南アフリカの電力は不足しており、停電が頻発している。これは同国の景気低迷の重要な原因だ。