同社の匡智剛総経理は、「国内のロボット制御システムは海外の先進水準との間にまだ開きがあるが、電子機械では決して劣っていない。輸入ロボットが故障した場合、修理の技術者は海外からはるばる駆けつける。一部の技術者は中国の実情を知らず、問題を解決できない。当社は48時間内に必ず駆けつけ、10日以内に解決する。また海外のロボットの多くは生産ラインで生産されているが、中国現地のサプライヤーは取引先の需要に応じてオーダーメイドできる。これが我々の強みと生存手段だ」と話した。
国際ロボット・スマート装備産業連盟の執行主席兼秘書長の羅軍氏は、中国産ロボットの▽国産ロボットは市場シェアが低く、ブランドの知名度も高くない▽コントローラ、減速機などのコア部品の研究開発能力が不足しており、高級製品は輸入に依存している――という2つの弱点を挙げた。
確かにコントローラ、サーボモータ、駆動装置、精密減速機、高級センサ、ロボット本体などのコア部品の技術の多くは海外メーカーに握られている。6軸などの高級ロボットと部品は依然として輸入に依存しており、中国製品は価格決定・交渉能力を持たない。これらの中国のロボット技術および産業の弱点は、長い時間をかけて補わなければならない。
また世界一の産業用ロボット市場も、中国最大の長所であることに注意が必要だ。
「水に近き楼台は先ず月を得る(有利な位置にいることの例え)」ということわざがあるが、地場メーカーは需要の発見とリサーチに力を注ぐべきだ。市場を中心とし、質の高いサービスで顧客を獲得するのだ。
昨年より活況を呈しているサービスロボット市場は、地場メーカーが新たに迎えたビッグチャンスだ。
中国電子学会の調査研究「国内外ロボット技術の発展の現状の比較」によると、中国の産業用ロボットの基礎研究、製品の開発、製造技術の全体水準は、世界先進水準より10年遅れている。しかしサービスロボットは、3-5年のみだ。
サービスロボットは、スマート社会、スマートホーム、スマートライフの至る所に存在する。
技術に大きな差がないサービスロボット分野で、地場メーカーは製品・ソリューションプラン・サービス・ビジネスモデルの革新により市場シェアを高め、先進国を追い抜くチャンスを手にしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年11月24日