今年の「ダブル11」(11月11日。ECサイトが激安セールを実施する日)期間中、掃除ロボットがネット通販の「ブラックホース」になり、家電売上トップ10入りを果たした。これはサービスロボットが新たな成長源になることを意味しているのかもしれない。
ロボット大会「World Robot Conference 2015」が、11月23日に北京市で開幕した。習近平国家主席は祝電の中で、「中国はロボットとスマート製造を国家科学技術革新の優先重点分野とし、ロボットテクノロジーの研究開発と産業化を推進する」と指摘した。
李克強総理も書面の指示の中で、「中国は革新駆動発展戦略を実施中で、大衆創業・万衆革新、インターネット+、中国製造2025を大々的に推進している。これはロボット新興市場の成長を力強く促進し、世界最大のロボット市場を創造する」と指摘した。
・ロボット産業が急成長
同大会には「World Forum on Robot」、「World Robot Exhibition」、「World Adolescent Robot Contest」が含まれ、200以上の企業および研究機関を集めた。
博覧会の会場には、産業用ロボットアーム、スマートサービスロボットなどが登場した。その中には、折り紙、絵画、サッカーなどの「達人」がいた。李源潮国家副主席は開幕式で、「情報化と工業化が深く融合し、スマート社会が初歩的な形状を呈し始めている。ロボット技術はスマート社会の革新的発展のバロメータだ」と述べた。
中国は世界で最も多くのロボットを使用している国になっており、23万台のうち56%が中国で使用されている。またこれらのロボットの製造メーカーのうち、中国メーカーが占める比率も上昇を続けている。しかし中国製ロボットの普及率は、依然として低水準となっている。
研究員の韓娜氏は、「中国では現在1万人当たり約30台のロボットを使用しており、世界平均の58台を下回っている。ドイツは中国の10倍、日本は11倍に達している。これは中国のロボットの需要が、非常に高い潜在力を秘めていることを意味している」と指摘した。
・サービスロボットが人気に
・サービスロボットが人気に
中国の産業用ロボットの年間販売台数は2020年に15万台に、2025年に26万台に達し、保有台数は2020年に80万台に、2025年に180万台に達する。第13次五カ年計画(2016−20年)の末期に、中国のロボット産業の生産高は1000億元を突破する。
李国家副主席はロボット産業の発展の流れについて、「世界のロボット市場は現在、主に産業用ロボットが中心で、市場シェアの80%を占めている。しかし未来の流れを見ると、サービスロボットが新たな注目点になろうとしている」と指摘した。
清華大学教授の賈培発氏は記者に対して、「産業用ロボットの中国に対する重要性は、製造業全体の水準を引き上げる点にある。しかし市場の規模と生産高から見ると、将来的な需要はサービスロボットの方が旺盛で、その生産高は産業用ロボットの100倍になる」と分析した。
中国工程院院士の王天然氏も同大会で、「ロボットは将来的に、人との融合を実現する。現在のロボットは大スケールで人と融合できるが、将来的には生物電気信号の解析、生物のフィードバックによる人との協調の制御、本体構造のデザインで、さらに遠い未来では分子スケールで人とロボットの融合を実現する。人との融合は次世代ロボットの本質的特徴で、このようなロボットは人類により良く貢献できる」と予想した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年11月24日