中国工程院院士、中国科学院瀋陽自動化研究所研究員の王天然氏によると、中国のロボットの旺盛な需要には、労働力の不足と人件費の高騰という原因がある。企業は人の代わりにロボットを選択し、生産効率を高めることが可能で、長期的に見るとコストを削減できる。王氏は、「スマート製造は製造技術の主な発展方向であり、ロボットはスマート製造の主な技術的支柱だ。ロボットを製造業で応用することで、産業のミドル・ハイエンドへの邁進をけん引できる」と指摘した。瀋陽新松ロボット自動化株式有限公司の曲道奎総裁も、「産業用ロボットの普及拡大により、中国の製造の過程における自動化・スマート化水準を高め、人件費の高騰と人口ボーナスの減少の製造業の競争力への影響を和らげることができる。これは製品の質を高め、生産コストと資源の消耗を抑え、製品の国際的な競争力を高めることにつながる」と述べた。
また情報技術、特にインターネットや人工知能の製造業との融合により、ロボット産業も変革に直面している。ロボット産業は「2.0」の時代に足を踏み入れつつある。王氏は、人工知能とインターネットの技術発展はロボットに強力な「後脳」を提供し、スマート水準を高めると指摘した。材料科学の発展に伴い、人工筋肉などを使い「軟体ロボット」を作れるようになる。これはロボット産業に革命をもたらす。脳科学と結びつけることで、ロボットの一部の行為を人が直接制御できるようになる。生命科学と結びつけることで、「命」を持つロボットを生産できるようになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年11月24日