贅沢品権威研究機構の財産品質研究院は24日、上海で「中国贅沢品報告」を発表した。それによると、2015年に中国の消費者が世界で消費した贅沢品は1169億ドルに達し、前年比で9%増となった。為替レート変動を踏まえても、この数値は前年比で1000億元の増加となる。
しかしばつの悪いことに、海外消費が依然として抑制されず、増加している。2015年に中国人消費者が消費した海外の贅沢品の総額は910億ドルに達し、前年比12%以上の増加となった。つまり中国人消費者が贅沢品を消費する際、その78%が海外で消費したということになる。国外消費の流れは依然として深刻な状況にある。業界筋はその原因として、海外の贅沢品は種類が揃っている一方、国内のそれは価格が高く、品質が保証されていないという認識を中国人消費者が持っているためと指摘する。
これまで、世界の贅沢品ブランドは中国に続々と進出してきた。ブランド店舗が中国の1級、2級都市の主要商圏にくまなく広がった。しかし現在、彼らは以前ほど好調ではなくなっている。つい最近も、ルイ・ヴィトンが広州の店舗の閉店を発表している。贅沢品の店舗の閉店はさらに加速する勢いである。ある研究によると、今年83%の贅沢品ブランドが、中国で様々な形式で閉店行為を行っているという。
財産品質研究院の予測によると、贅沢品ブランドの閉店は2016年にはさらに加速し、95%以上のブランドが一部の店舗に対して戦略的閉店を行うという。同時に、現状の店舗のリニューアルを強化し、大型体験とサービスセンターを作ることで、オンラインとオフラインをつなげるという。O2Oは今後のブランドにとって必然的な選択である。また、多くのブランドが顧客に対するワンストップサービスのライフスタイルの提案をしようとしている。そしてB2CからC2Bへのバージョンアップを目指そうとしている。
2015年の贅沢品市場において、他にも突出した現象があった。ネットを使った贅沢品のオーダーメードサービスが今年、最大の話題となった。
オーダーメード業務は今年になって急速に発展し、全ての贅沢品業界の中で20%を占めるようになった。86%の贅沢品ブランドが様々な形でオーダーメードサービスを始めている。2015年、全部で400以上の各種オーダーメードサービスがネットで始まった。しかし規模はとても小さい。財産品質研究院の院長である周婷博士は、2016年に大型ウェブサイトの「天猫」や「京東」などがオーダーメードサービス分野に進出すると予測する。長年にわたる流通等プロセスと顧客資源の蓄積によって、これらプラットホーム型企業は今後のオーダーメードサービスの主役になると見込まれる。
ウェブによるオーダーメードサービスは現在、雨後の筍のように出現している。中国の電子商取引による贅沢品販売は今年、巨額の融資を得たものの、うまくいっていない。財産品質研究院が中国の富裕層に調査したところ、ウェブサイトで購入する場合、中国本土の贅沢品販売サイトを選ぶ人はわずか4%だった。ブランドの公式サイトと海外の贅沢品販売サイトを選ぶ人はそれぞれ44%と27%だった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年11月28日