ドイツ銀行のウルリッヒ・ステファン・チーフストラテジストは、人民元の「SDR入り」には象徴的な意義があると指摘する。IMFの「お墨付き」は、中国の通貨と中国経済が世界的に重要な地位にあると承認したことを意味する。現在の流れから見て、市場の人民元建て国債への需要は今後も安定傾向が続き、人民元への圧力も軽減する見込みだという。
人民元のSDR正式採用のニュースは韓国でも注目されている。韓国の中国との貿易規模は非常に大きく、中韓FTA協議も年内に発効するとの見通しが背景にある。韓国メディア「ETNews」は、「人民元が第3の国際通貨に躍進」と題した社説で次のように分析する。「人民元はSDR採用後、世界の金融市場での地位が急上昇する見通し。人民元のSDR通貨バスケットでの構成比に基づき、各国の中央銀行は自国の外貨準備を調整するため、人民元の需要は大幅に増加する。2025年には、世界の外貨準備に占める人民元の割合は現在の0.3%から10%に拡大すると予想する」。
シンガポール最大の華字紙「聯合早報」のニュースサイトによると、現地の経済アナリストの間では、人民元のSDR採用後はシンガポール企業の貿易における米ドルへの依存度が低下するとの見方が一般的だ。一方では、企業の取引・買収コストの軽減にもつながるため、シンガポール企業が貿易決済で人民元を使用すれば一段と利便性が高まるとしている。