人民元SDR採用の決定を発表するIMFのラガルド専務理事
国際通貨基金(IMF)は11月30日の理事会で、人民元を「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨に採用することを正式に決定した。SDRの新たな通貨バスケットは2016年10月1日に正式発効する。
IMFは30日の声明で、「理事会は5年に1度のSDR構成通貨の見直しを完了し、人民元が『SDR採用』の全ての要件を満たしていると判断した」と発表。人民元は自由に使用できる通貨として認められ、2016年10月1日より米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドと同様にSDRの構成通貨となる。
通貨構成の変更に伴う充分な調整時間を確保するために、新たな通貨バスケットは来年10月に正式発効する。SDRの価値は通貨バスケットを構成する米ドル、ユーロ、人民元、日本円、英ポンドの5つの通貨の加重平均で決まることになる。
IMFは人民元の「SDR採用」について、通貨バスケットが多様化するとともに、世界の主要通貨を代表する存在としての価値が高まり、SDRの準備資産としての魅力向上にもつながると指摘する。
新たな通貨バスケットの構成比は、米ドル(41.73%)、ユーロ(30.93%)、人民元(10.92%)、日本円(8.33%)、英ポンド(8.07%)となる。