2015年12月31日の人民元為替レート指数は100.94で、14年末より0.94%上昇した。国際決済銀行(BIS)のバスケット通貨の同指数は101.71で同1.71%上昇し、国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)のバスケット通貨は98.84で同1.16%低下した。3つの指数は1つが低下し2つが上昇し、ここから15年には元がバスケット通貨に対して全体として基本的安定を保ったことがわかる。
同論考によれば、現在の元レートには基本的な安定を保ち続ける条件がそろっているという。具体的には次のようなことだ。
中国経済の運営状況は全体として安定している。15年には輸出の伸びが鈍化したが、グローバル市場に占める中国の輸出の割合は引き続き増加しており、中国は通貨の切り下げ競争で輸出を喚起して成長をはかる必要はない。また米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げの影響は事前に消化された部分が大きく、次の段階の米ドルの動きは多方面の要因に影響されるため一定の不確実性を備えることになる。中国経済の基本的側面は元レートを長期的に支援するとみられる。元レートには持続的な下落の土台は存在せず、元は国際準備通貨の中で引き続き強い通貨であり続ける。