KPMGグローバル中国事業開発センターはこのほど発表した「2016中国展望」で、「中国経済は投資と輸出に依存する段階を経て、消費とイノベーションを原動力とする方向に転換しつつある」との見方を示した。これは中国の経済成長が2つの軌道の上を進んでいることを示す。1つは、基礎的な製造業と伝統産業を中心とするものだが、これらの企業は苦境に立たされている。もう一方の先端製造業と消費関連産業に代表される軌道は力強い成長を示している。
2015年の中国の金融分野を除く対外直接投資は、前年比14.7%増の1180億2000万米ドルと過去最高を更新した。中国企業による海外M&A取引額は40%増の877億米ドルだった。このような急成長を背景に、2016年の中国企業の海外M&A総額は、1000億米ドルの大台を突破する見込みだ。今年2月18日時点ですでに748億米ドルに達していることからも、中国企業の海外M&Aへの意欲は衰えていないことがわかる。中国企業は海外M&Aについて、以前より「高い質的成長」に着目しており、高付加価値分野と消費関連産業での取引は、量的にも規模の上でも拡大している。中国企業の先進国市場での取引が増えているが、その多くは民営企業に関わるものだという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月3日