2015年の中央経済活動会議では、供給側の構造改革推進をめぐり、過剰生産能力の解消、在庫解消、デレバレッジ、コスト削減 、脆弱分野の補強という5つの重点課題が示された。1978年に改革開放政策が始まって以来、「過剰生産能力の解消」が初めて中国の年間経済活動の最重要課題に据えられたことで、その必要性と緊迫感、問題の複雑さが明らかになった。
一部の産業での深刻な生産能力過剰は、中国経済の質と効率の向上、安定化・改善への大きな障害となっている。
中国経済は「成長モデルの転換期、構造調整の陣痛期、景気刺激策による矛盾の解消期」の3つの時期が重なっているうえ、「新常態」の段階に入っており、経済成長をめぐる大きな矛盾と問題が残されている。経済成長の下押し圧力が強まるなか、この段階で「過剰生産能力の解消」が強調される理由を3つ挙げてみよう。