近年急激に成長している中国の宅配業界では、上場ブームが巻き起こっている。業界関係者は、大手宅配業者は上場計画を打ち出し、資源統合を加速し、業界全体の市場拡大から洗練された経営に移行すると予想した。
宅配業界の上場ブーム
一週間内に、宅配業界で資金調達が3回行われた。
上海韻達速遞(物流)有限公司(以下、「韻達速遞」)は2月28日、復星集団、中国平安、招商銀行、東方富海、雲暉投資などの金融・投資機関と、戦略的提携関係を結んだと発表した。
金融機関の介入により、宅配業者は上場まであと一歩となった。韻達速遞は具体的な提携内容、金額、推進する可能性のある上場計画に関する情報を明らかにしなかった。
北京宅急送快運株式有限公司(以下、「宅急送」)は2月23日、自社の運輸・配送・クラウド型倉庫管理の3大事業部の分社化を発表した。これには十分な資金が必要であるため、今回の事業調整は資金調達の決定を踏まえていると分析できる。
天天快遞有限公司(以下、「天天快遞」)は2月25日に杭州市で、第1陣となる6億元以上の資金調達を完了したと発表した。主な出資者は、中金前海発展(深セン)基金管理有限公司。
中国の宅配業界では、上場ブームが巻き起こっている。申通快遞は昨年12月1日、建材メーカー・艾迪西に169億元の資産を組み入れ、裏口上場した。株価は公開価格の7.5倍に達し、国内民間宅配業者初の上場となった。独自の新規上場を目指していた圓通速逓も1月16日、大楊創世による裏口上場を選択した。
中通や百世匯通などの宅配業者も、上場が噂されている。「上場の予定はない」としてきた順豊速運も、国内上場の手続きを開始したと発表した。