習近平主席(資料写真)
世界経済の回復が遅れ、中国経済への下押し圧力が強まるなか、世界経済のけん引役である中国経済はどのような措置を講じれば再び奇跡を起こせるのか?習近平主席は、2015年11月10日の中央財経指導チーム第11回会議でその回答を出した。「戦略上では持久戦を堅持しつつ、戦術上では殲滅戦、しらみつぶしに当たる徹底的なローラー作戦だ」。
【1】戦略上では持久戦を堅持
戦略とは、全体を見渡し、長期的な策略を決定することだ。小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的な実現、社会主義現代化の加速、中華民族の復興などを実現するには、戦略的に時勢を見極め、国を統治するための新たな理念や措置を打ち出すとともに、系統的な戦略策定と配置を進める必要がある。
持久戦を続けるには、経済成長の全体像を捉える必要がある。一部の利益と全体の利益の関係を適切に処理すれば、中国の経済成長は一段と調和がとれ、持続可能なものとなる。習近平主席は、「改革の全面的深化は党と国家の発展全体に関わる重要戦略であり、特定の分野についてだけの改革ではない」とし、「全体計画を策定できない者は、一部分の計画も立てられない」と指摘した。「全ての者が全体的に問題を見渡す必要があるが、まずは提出された重大改革措置が全体の需要に合致し、党と国家の長期的発展にプラスとなるかどうかを見極めることが必要だ。そして将来を見通し、前倒しで計画を策定していくべき」との見解を示した。