広東自由貿易区の昨年4月の発足以来、管轄下の珠海横琴と深セン前海蛇口、広州南沙の3大エリアは巨大な原動力を獲得し、発展の勢いを加速し、香港・マカオに連なり世界に向かう重要な窓口として発展してきた。
全国両会(人民代表大会、政治協商会議)の開催を機に、中国網記者は、全人代マカオ団の代表の一人でマカオ中華教育会副会長、中華文化交流協会会長を務める李沛霖氏を訪ねた。李氏は取材に対し、広東自由貿易区の政策は、中国大陸部と香港・マカオ地区とのより深い融合と協力を後押ししていると語った。
「ここ一年余り、皆は、いかに協力を強化し、一致点を探るかという方向で努力してきた。現在、多くのマカオ同胞、とりわけ工商界の人々や若者が、横琴で力を発揮し、チャンスを見つけようと続々とやって来ている。例えば青年起業バレーでは、多くのマカオの若者が、自らの力を発揮する舞台を見つけている」。李氏は、横琴自由貿易エリアは、広東・マカオの協力を刺激する役割を着実に果たしていると考えている。
「マカオの適度な多元化発展の支援では、横琴は、国家によって与えられた任務を背負っている」と李氏は指摘する。だが広東・マカオ両地の協力はいくつかの挑戦に直面しているのも確かである。意思疎通をいかに強化し、自由貿易区の建設過程において出現している問題を共同で解決するかは、とりわけ重要となる。李氏は、法律や制度、管理方式の違いはいずれも双方の発展を制約する問題となっており、双方が共同で協議して解決する必要があると指摘した。
だが李氏は、自由貿易区は全体としては良好な方向に発展しており、双方が意思疎通を強化し、相互信頼を高めれば、ウィンウィンや利益共有を必ず実現できると見ている。
マカオ大学が横琴に新設したキャンパスについて李氏は、全国人民代表大会常務委員会が、この1.0926平方キロメートルの土地をマカオ大学に貸し出す決議を採択したことは、マカオに対する中央の関心と支持を示すものだとの見方を示した。
李氏は、貴重な土地を広東が譲り、マカオ大学に立派なキャンパスを与えたことに感謝を示した。マカオ大学のキャンパスは以前に比べて20倍に拡大し、キャンパス内の整備も進んだ。「学生らは現在、ともに生活・学習し、学問を探究し、キャンパス生活を楽しむことができるようになった。学生らの成長は大きく後押しされている」と李氏は語った。
李氏によると、広東・マカオ間の教育文化協力は全方位的なものである。広東省はこれまでもマカオに気を配り続けてきた。華南師範大学によるマカオの教師養成はすでに30年にわたって続けられ、マカオの在職教師の養成や再教育、訓練が行われてきた。こうした土台の上で今後も発展が深められ、人才育成強化での協力などより多くの事業の展開が進められる見通しだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月10日