徐洪才氏
中国の李克強総理は2016年ボアオ・アジア・フォーラム年次総会開幕式で24日、「活力溢れるアジアの新たなビジョンを共に描く」と題した基調演説を行った。李総理は演説で、中国経済を高速鉄道車両に例え、「我々は中国経済を安定的に運行させ、合理的な速度を維持する必要がある。高速運行は無駄が多く不経済であるばかりか、持続が難しく、省エネ環境保護にもマイナスとなる。アジアの振興には、落ちこぼれを出してはならない」と述べた。
これについて中国経済網の徐洪才論説委員は、テレビ番組「我財経」で次のように述べた。「我々は以前、急速な経済発展を遂げたが、それはある種の粗放型の経営スタイル、投資主導型、輸出けん引型の発展モデルを成長基盤としていたが、今は方向性が変わった。中国経済が「新常態」に入り、中高速成長を維持するようになったが、その重点は質と効率の向上に置かれるようになった」。
徐洪才氏は、アジア太平洋地区の経済一体化の流れは逆転することがないとの見方を示した。
「開かれたアジア経済を目指す大きな戦略的構想を背景に、中国はいくつかの役割を果たしていくことができる。しかし、各国もまた積極的に平等に協力し、多くの力が結集すれば、大きな成果を上げることが可能で、セクショナリズムに陥ることはない。経済の一段の開放、投資の自由化、貿易の利便性向上などを促進するには、条件を整え、アジア太平洋地区を中心とした生産要素の流動性を確保する必要がある」と指摘。
「アジア太平洋地区は世界経済の成長エンジンとなる存在であることを踏まえれば、我々が自ら不要な障害物を設け、自国経済の持続可能な発展を妨げる理由は何も無い」と強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月28日